深江郷土資料館
「四極山(しはつやま) うち越え見れば 笠縫の 島漕ぎ隠る 棚なし小舟」(高市黒人)
深江地域は万葉集でうたわれているように、昔から良質の菅草が豊かに自生する浪速の一島でした。
さらに、伊勢音頭の一節にも「大坂はなれてはや玉造、笠を買うなら深江が名所・・・」とうたわれているように、お伊勢参りをする人は深江の菅笠を買い携帯していました。
また、深江地域には融通念仏(ゆうずうねんぶつ)信仰中興の祖とされた法明上人(ほうみょうしょうにん)の生地とされる法明寺(ほうみょうじ)など歴史のある寺院や戦火を逃れた有形文化財が一つの地域に存在しています。
菅笠と歴史の街 深江
古代の深江は『万葉集』で「笠縫の島(かさぬいのしま)」と詠まれた、菅笠を作成する人々が生活した島でした。
時代が下って江戸時代には、暗越奈良街道(くらがりごえならかいどう)が通り、人とモノと文化が行きかう交通の要衝となります。
伊勢音頭の一節では「大阪はなれてはや玉造、笠を買うなら深江が名所」と歌われ、お伊勢参りをする人々は皆、深江で菅笠を買い求めました。
また深江地域には、中世に活躍した法明上人(ほうみょうしょうにん)が創建したと伝わる法明寺をはじめとして、歴史ある建造物が複数残っております。
このように、深江は古代以来の伝統のある菅笠を中心として発展した、歴史ある街であります。
深江郷土資料館 本館
深江郷土資料館本館では角谷一門が作成した茶釜をはじめ、銅鏡などの鋳物を展示しています。
また、伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)や大嘗祭(だいじょうさい)で奉納された菅笠をはじめとする菅細工、
明治時代の大阪で発生した洪水を伝える石碑の拓本など、深江地域に関わりのある資料を展示しています。
深江郷土資料館 別館
深江郷土資料館別館は1935年に建てられた旧幸田邸を改修したものです。
昭和初期の古き良き景観が維持されています。
敷地内にある表門・土蔵・乾蔵(いぬいぐら)及び塀・主屋は、国の登録有形文化財に登録されており、
深江の歴史を物語るシンボルの1つとなっています。
SDGsへの取り組み
一般財団法人 深江郷土資料館では2030年まで持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である
SDGs (Sustainable Development Goals)の目標達成のため
深江に残る古民家や樹木の保存を行っています。
また、深江地域の文化を通じて大阪の文化、日本の文化を、国内はもとより海外にも広く発信して、これらを知り、体験いただく機会と場を提供しています。